ホーム > お知らせ > ITP 2.3 に対するウェブアンテナの影響について

2020/02/14

ITP 2.3 に対するウェブアンテナの影響について

※この記事は、過去に告知されたお知らせであり、現在のウェブアンテナの仕様・状況とは異なる場合がございます。

Safari ブラウザに搭載された ITP (Intelligent Tracking Prevention) が 2019 年 9 月にバージョン 2.3 に更新されました。本記事では、それによるウェブアンテナへの影響についてご説明いたします。

ITP (Intelligent Tracking Prevention) 2.3 とは

ITP (Intelligent Tracking Prevention) とは、 Safari に搭載されたトラッキングを防止するための仕組みです。この ITP のバージョンが Safari 13 から ITP 2.3 に上がり、以下のように制限が強化されました。

※ITP 2.3 に関しての詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。
https://webkit.org/blog/9521/intelligent-tracking-prevention-2-3/

制限 1. localStorage 利用についての制限

制限が発生する条件

  1. ITP の機械によりトラッカー判定されたサイト(※注)から遷移してきた
  2. クエリパラメータ (?key=value) あるいはフラグメント (#fragment) が付与されている URL で別サイトに遷移した

制限内容

遷移先のサイトでの localStorage の保存期間が 7 日間に制限されます。
※この場合、ITP 2.2 より Cookie の保存期間が 1 日間に制限されております

制限 2. リファラ情報取得についての制限

  1. ITP の機械によりトラッカー判定されたサイト(※注)から遷移してきた
  2. クエリパラメータ (?key=value) が付与されている URL から別サイトに遷移した

制限内容

別サイト遷移時のリファラを JavaScript で取得した場合に、取得できるリファラがドメインのみになります。
例) https://subdomain.example.com/?key=value というリファラが https://example.com/ として取得されます。

(※注)
トラッカー判定については、ITP の内部ロジックに従って行われます。
またその判定については、利用端末(ブラウザ)ごとに結果が異なると言われております。

そのため、どのサイトがトラッカー判定されるかについて、ウェブアンテナサポート窓口からのご案内は致しかねる点何卒ご容赦ください。

ウェブアンテナへの影響

localStorage 利用制限に関する影響

ウェブアンテナでも現在、 Safari ユーザについてはクライアントサイドで設定したファーストパーティ Cookie と localStorage を併用した同定を行っているため、 ITP 2.3 を搭載した Safari ユーザが制限の条件に合致する行動(トラッカーサイトからのクエリパラメータ/フラグメントつき URL での流入)を行った場合に、8 日間以上の間が空いた過去の「再来訪 CV」や「アシスト」、「接触履歴」が計測出来なくなってしまうことが分かりました。

ITP 2.3 前後で計測結果が異なってくる場合、変わらない場合の具体例も以下に挙げさせていただきます。

計測結果が異なる場合の例

  • トラッカーサイトにて広告Aをクリック → LP → (離脱) … (8日間以上経過) … 自然検索 → LP → CV
    • ITP 2.3 以前: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件
    • ITP 2.3 以後: 自然検索に直接 CV 1 件 (広告Aの成果が紐づかない)
      ※自然検索流入オプション未契約の場合、ITP 2.3 以後では CV 自体計測されません
  • トラッカーサイトにて広告Aをクリック → LP → (離脱) … (8日間以上経過) … 広告B → LP → CV
    • ITP 2.3 以前: 広告Bに直接 CV 1 件、広告Aにアシスト 1 件
    • ITP 2.3 以後: 広告Bに直接 CV 1 件 (広告Aの成果が紐づかない)

計測結果が変わらない場合の例

  • トラッカーサイトにて広告Aをクリック → LP → CV
    • ITP 2.3 以前: 広告Aに直接 CV 1 件
    • ITP 2.3 以後: 広告Aに直接 CV 1 件 (変化なし)
  • トラッカーサイトにて広告Aをクリック → LP → (離脱) … (7日間以内) … 自然検索 → LP → CV
    • ITP 2.3 以前: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件
    • ITP 2.3 以後: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件 (変化なし)
      ※自然検索流入オプション未契約の場合、ITP 2.3 前後とも自然検索の CV は計測されません

リファラ取得制限に関する影響

リファラ情報についても JavaScript を用いて取得しているため、制限の条件に合致する行動(クエリパラメータつきのトラッカーサイト URLからの流入)が行われた場合、自然検索流入・その他流入の計測について以下のような影響が出てまいります。
※自然検索流入/その他流入計測オプションをご契約の場合

自然検索流入への影響

ウェブアンテナで検索エンジン URL として定義されているドメインが ITP によってトラッカー判定された場合、自然検索流入の条件にマッチせず、その他流入として扱われる可能性がございます。
その場合、以下のような影響が出てまいります。

  • 自然検索流入のクリック数/CV数が減り、その他流入にカウントされる
  • 自然検索流入オプションを契約していて、その他流入オプションを契約していない場合、CV レポートで確認できない CV が増える

ただし、google や yahoo など、meta タグでのリファラポリシーが origin (あるいはそれに準ずるもの)で指定されている検索エンジンについては、ポリシーに沿ったリファラ情報が引き続き問題なく取得できますので、それらの検索エンジンでの計測影響は発生いたしません。

その他流入への影響

流入元ドメインが ITP によってトラッカー判定された場合、流入元サイト/流入元ページ単位で表示した際に、実際にはサブドメインからの流入であるものが親ドメインからの流入として表示されるようになってしまいます。
具体的には以下のような影響が出てまいります。

  • 流入元サイト/ページ単位での表示で、サブドメインのクリック数/CV数が減り、親ドメインにカウントされる
  • 流入元ページ単位での表示で、パスありのクリック数/CV数が減り、パスなしにカウントされる

ウェブアンテナでの ITP 対応について

localStorage の利用制限によるユーザ同定の影響につきましては、大変恐縮ながら現在対応方法を検討中でございます。
Chrome の 3rd party cookie サポート廃止など ITP 以外のプライバシー関連の動向も踏まえ対応を検討しておりまして、対応リリースの詳細等が明らかになりましたら、ご利用の皆様にメールにて告知させていただく予定です。
何卒よろしくお願いいたします。
※お知らせメールのご購読はこちらより行えます

また、リファラ情報取得の制限による影響につきましては、取得される情報そのものが制限され、ウェブアンテナ側での対応が行えない状況です。
従いまして、お手数ではございますがそのような影響が出ていることをご考慮の上、ウェブアンテナをご利用いただきたく存じます。

お問い合わせ

本件で何かご不明な点がございましたら、下記サポート窓口までご連絡ください。
何卒宜しくお願い申し上げます。

株式会社ビービット ソフトウェアサポート担当
メール: wa_support@bebit.com

「お知らせ」一覧


Copyright © beBit, Inc. All Rights Reserved.