どのトラッキングツールも計測の仕組みは似通っていますが、集計対象とみなすもの・みなさないものの設定や基準がそれぞれ異なっているため、その違いが積み重なって集計結果に大きな違いが生まれることがあります。
2-1:アクセス除外の設定が異なる
ウェブアンテナには関係者のアクセスを除外するための「除外アクセス」という機能があります。
まずは、比較対象の媒体や他ツールで同様の機能がないか、機能がある場合は、除外対象がウェブアンテナと一致しているかと調べてください。一方では登録されているのに一方では登録されていないアクセスがあると、それがズレの原因になります。
媒体や他ツールでアクセス除外を行っていない、かつ、ウェブアンテナで関係者のアクセスを除外している場合、ウェブアンテナの数値が少なく出ます。
※「除外アクセス」機能については関連トピックを参照
2-2:カウントポリシーが異なる
媒体や計測ツールごとにカウントポリシーというものがあり、それによって計測結果が異なることがあります。具体的には以下のようなものです。
不正クリック・審査クリックによる差異
ウェブアンテナも媒体側も不正クリック・審査クリックを集計から除外するようにしていますが、不正クリックとみなす基準がそれぞれ異なること、ウェブアンテナ側では審査クリックを正確に識別するのは困難なことから、ウェブアンテナのクリック数が多くなることがあります。
誤送信・重複コンバージョンによる差異
※コンバージョンの実績値とウェブアンテナが異なる場合に該当します。
お客様側システムにてコンバージョン実績をカウントする際に、内容が空のコンバージョンや誤送信、内容が重複しているもの等を除外されている場合、ウェブアンテナ上の数値が実際より多くカウントされます。除外前の実績データにてコンバージョン件数をご確認ください。
また、ウェブアンテナのレポート画面上ではこうした除外はできませんが、コンバージョンレポート上であれば、コンバージョン属性が入っていない行を削除する等の対応で正常なコンバージョンのみを対象にした分析を行うことができます。
複数媒体のコンバージョン数を合算することによる差異
ウェブアンテナのコンバージョン数が少ない場合に該当します。
例えば、とあるユーザが「媒体Aの広告をクリック」→「媒体Bの広告をクリック」→「コンバージョン」と遷移した場合、ウェブアンテナでは「媒体B」で1コンバージョン がカウントされます。(※「媒体A」にはアシストが1記録されます)
このとき、媒体側で「媒体A」・「媒体B」それぞれに1コンバージョンが記録されていますと、単純に合算すると2コンバージョンとなり、ウェブアンテナのコンバージョン数が少ないことになってしまいます。
2-3:環境の影響
ネットワーク回線による影響
ページの読み込みに時間がかかったり、ネットワーク回線に何らかの問題が発生したりするなどで、ウェブアンテナと比較対象の媒体や他ツールの、どちらか一方のサーバへのデータ送信が失敗した場合、失敗した側は計測が行われず、計測数が少なくなる可能性があります。
ユーザの環境による影響
例えば、Adblock拡張をユーザがインストールしている等で、特定の広告やタグ実行がブロックされるような環境ですと、計測数に影響を及ぼす可能性があります。
ウェブアンテナがそういったツール等のユーザ環境に影響を受けた一方で、比較対象の媒体や他ツールは影響を受けず計測が行われた場合、ウェブアンテナの計測数が少なくなる可能性があります。
反対に、ウェブアンテナは影響を受けないが、比較対象の媒体や他ツールが影響を受けるような環境をユーザが利用していた場合は、ウェブアンテナの計測数が多くなる可能性があります。