※この記事は、過去に告知されたお知らせであり、現在のウェブアンテナの仕様・状況とは異なる場合がございます。
Safari ブラウザに搭載された ITP (Intelligent Tracking Prevention) が 2020 年 3 月にアップデートされました。本記事では、それによるウェブアンテナへの影響についてご説明いたします。
ITP (Intelligent Tracking Prevention) アップデートについて
ITP (Intelligent Tracking Prevention) とは、 Safari に搭載されたトラッキングを防止するための仕組みです。この ITPが iOS 13.4/Safari 13.1 でアップデートされ、 ITP 2.3 で追加された localStorage 利用の制限ならびにリファラ情報取得の制限について、制限される条件などが変更になりました。
(制限される内容に大きな変更はございません)
※ITP アップデートに関しての詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。
https://webkit.org/blog/10218/full-third-party-cookie-blocking-and-more/
制限 1. localStorage 利用についての制限
制限が発生する条件
あるサイトにて、ユーザのインタラクション(ページ閲覧など)が 7 日間以上存在しない
制限内容
最後のインタラクションから 7 日後に、当該サイトにて保存しているlocalStorage が削除される
※”localStorage の有効期限が 7 日間”と同義になります
制限 2. リファラ情報取得についての制限
ユーザがドメイン違い(クロスドメイン)の遷移を行った
制限内容
別サイト遷移時のリファラを JavaScript で取得した場合に、取得できるリファラがドメインのみになります。
例) https://subdomain.example.com/path?key=value というリファラが https://subdomain.example.com/ として取得されます。
※ITP 2.3 の仕様とは異なり、サブドメインの情報は取得できます
ウェブアンテナへの影響
localStorage 利用制限に関する影響
ITP 2.3 の影響のアナウンス でもご案内しましたように、ウェブアンテナでも現在、 Safari ユーザについてはクライアントサイドで設定したファーストパーティ Cookie と localStorage を併用した同定を行っているため、本アップデートが適用された Safari を利用したユーザについては、8 日間以上の間が空いた過去の「再来訪 CV」や「アシスト」、「接触履歴」が計測出来なくなってしまうことが分かりました。
ITP アップデート前後で計測結果が異なってくる場合、変わらない場合の具体例も以下に挙げさせていただきます。
計測結果が異なる場合の例
- 広告Aをクリック → LP → (離脱) … (8日間以上経過) … 自然検索 → LP → CV
- ITP アップデート以前: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件
- ITP アップデート以後: 自然検索に直接 CV 1 件 (広告Aの成果が紐づかない)
※自然検索流入オプション未契約の場合、ITPアップデート 以後では CV 自体計測されません
- 広告Aをクリック → LP → (離脱) … (8日間以上経過) … 広告B → LP → CV
- ITP アップデート以前: 広告Bに直接 CV 1 件、広告Aにアシスト 1 件
- ITP アップデート以後: 広告Bに直接 CV 1 件 (広告Aの成果が紐づかない)
計測結果が変わらない場合の例
- 広告Aをクリック → LP → CV
- ITP アップデート以前: 広告Aに直接 CV 1 件
- ITP アップデート以後: 広告Aに直接 CV 1 件 (変化なし)
- 広告Aをクリック → LP → (離脱) … (7日間以内) … 自然検索 → LP → CV
- ITP アップデート以前: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件
- ITP アップデート以後: 広告Aに再来訪 CV 1 件、自然検索に直接 CV 1 件 (変化なし)
※自然検索流入オプション未契約の場合、ITP アップデート前後とも自然検索の CV は計測されません
リファラ取得制限に関する影響
リファラ情報についても JavaScript を用いて取得しているため、基本的にクロスドメインでの遷移となる自然検索流入・その他流入の計測について以下のような影響が出てまいります。
※自然検索流入/その他流入計測オプションをご契約の場合
自然検索流入への影響
検索エンジンからの流入のリファラがドメインのみに省略されてしまうことで、自然検索流入の条件にマッチせず、その他流入として扱われる可能性がございます。
その場合、以下のような影響が出てまいります。
- 自然検索流入のクリック数/CV数が減り、その他流入にカウントされる
- 自然検索流入オプションを契約していて、その他流入オプションを契約していない場合、CV レポートで確認できない CV が増える
ただし、google や yahoo など、meta タグでのリファラポリシーが origin (あるいはそれに準ずるもの)で指定されている主要な検索エンジンについては、元々リファラが短縮されるものとして自然検索流入の判定をしておりますので、それら主要な検索エンジンについては変わらず自然検索流入として扱われます
その他流入への影響
流入元ページ単位で表示した際に、実際にはパスありの URL からの流入であるものがパスなしの URL での流入として表示されるようになってしまいます。
具体的には以下のような影響が出てまいります。
- 流入元ページ単位での表示で、パスありのクリック数/CV数が減り、パスなしにカウントされる
ウェブアンテナでの ITP 対応について
localStorage の利用制限によるユーザ同定の影響につきましては、大変恐縮ながら引き続き対応方法を検討中でございます。
Chrome の 3rd party cookie サポート廃止など ITP 以外のプライバシー関連の動向も踏まえ対応を検討しておりまして、対応リリースの詳細等が明らかになりましたら、ご利用の皆様にメールにて告知させていただく予定です。
何卒よろしくお願いいたします。
※お知らせメールのご購読はこちらより行えます
また、リファラ情報取得の制限による影響につきましては、取得される情報そのものが制限され、ウェブアンテナ側での対応が行えない状況です。
従いまして、お手数ではございますがそのような影響が出ていることをご考慮の上、ウェブアンテナをご利用いただきたく存じます。
お問い合わせ
本件で何かご不明な点がございましたら、下記サポート窓口までご連絡ください。
何卒宜しくお願い申し上げます。
株式会社ビービット ソフトウェアサポート担当
メール: wa_support@bebit.com